「関係も長いので信頼していたが、久しぶりに土地を見に行ったら建物が新しくなっていた」「リフォームと聞いていたのに、確認したら平屋から2階建てになっていた」など、知らないうちに借地人さんが増改築していた場合の対処法についてご説明します。

増改築の際は承諾が必要です

借地契約書には、通常「増改築禁止特例」という条項が明記されます。その内容は、「借地権者が借地上の建物を増改築する場合、あらかじめ地主に承諾を得る必要がある」というものです。もし契約書にこのような条項がなければ自由に増改築できますが、明記されていれば無断で増改築を行うのは契約違反になります。

ルール違反なので契約解除もできますが・・・

契約書に記載されている以上、無断で増改築をするのは明らかなルール違反です。増改築を行えば建物の耐久性も上がるので、土地を明け渡してもらいにくくなります。さらに借地契約満了時に求められる建物買取(新法適用定期借地権の場合)の金額も変動するため、地主には多くの不利益が発生します。そのため極端な話をすれば借地契約を解除することもできるのです。とはいえ、いきなり契約解除というのは信頼関係に大きなヒビが入ってしまいますよね。

増改築なら承諾料の話をしましょう

借地権者が無断で増改築を行った場合、まずは「建て替え承諾を出すので承諾料を支払ってください」と申し入れてみましょう。もし交渉がスムーズに進めば、地主も借地権者も損をすることなくトラブルを収めることができます。

ちなみに建て替え承諾料の相場は所有権価格の3%~、木造から鉄筋コンクリートのような契約条件が変わる場合はさらに「借地権の条件変更承諾料」が発生します。この承諾料が通常は7~10%くらいです。たとえば木造から鉄筋コンクリートの建物に改築した場合は、建て替え承諾料5%+借地権の条件変更承諾料10%で15%の承諾料が発生するわけですね。(あくまで、経験上の目安です)

どのような増改築が対象になるの?

長期間に渡って建物に住んでいれば定期的な修理やメンテナンスが必要です。そのような修理は増改築とみなされず、承認を得る必要もありません。ただし、大規模なものに関しては増改築に該当するケースもあります。この増築、改築、修理の線引きは非常に曖昧です。こちらでは簡単に増築と改築の違いについてご紹介しますが、ご不明な点があれば専門家に相談してみましょう。

◎増築

その名前からもわかるとおり、床面積が増えるような工事のことを指します。例えば平屋から2階建てにしたり、駐車場まで居住スペースを拡大したりする工事は増築に当たります。

◎改築

床面積を変えず、間取り変更などが発生する工事のことを指します。また建物を取り壊して同じ床面積の建物を建てるようなケースも改築に当たります。そのほか、基礎のコンクリートの打ち替えなども改築とみなされます。

増改築とリフォームの違いは?

最近では、家族構成の変化に合わせて間取りを変更したり、耐震性を向上させたりといったリフォーム工事が増えています。リフォームであれば建て替え承諾は不要ですが、増改築なら建て替え承諾が必要。その違いについては非常に曖昧な状態です。

外壁塗装のような工事で承諾料を求めるケースもありますし、修理なので無料ということもあります。この判断基準については、実際のところ地主次第となっているのが現状です。

借地権者との共通認識が大切です

増改築の基準は曖昧なので「壁紙の貼り替えはリフォーム」「外壁塗装は改築」のように、あらかじめ地主が線引きしておくことが大切です。曖昧なままにしておくと、借地権者の勝手な解釈で増改築を繰り返される可能性もあります。

もし増改築している可能性があるようなら、早めに借地権者と相談しましょう。そこで双方ともに納得できる承諾料を決めたり、増改築の基準を確かめたりすることでトラブルを未然に防ぐことができます。

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